難病 脊髄空洞症 

脊髄空洞症という病気をご存知でしょうか? 
脳や脊髄を取り囲んでいる脳脊髄液が脊髄の中にたまる事により、脊髄を内側から圧迫するため、色々な神経症状、全身症状を起こす病気です。
国の特定疾患に認定される程ですから難病に分類される病気と言っていいでしょう、ある調査では全国の患者数は2,000名前後と言われています。
それではこの脊髄空洞症がどのような人に多いのかと言いますと男女間に差が無く20、30代に発症が多いものの、あらゆる年齢層にみらるとの事です。
原因としては大孔部という脳と脊髄の移行部にキアリ奇形を伴うものが多いのですが、大孔部や脊髄の炎症(くも膜炎)、脊髄腫瘍、外傷などに伴うものや原因が不明な特発性のものもありますが遺伝性の病気ではないと言う事です。
ではどんな症状が起きるのでしょうか?
特徴としてはは温痛覚障害です、たとえば腕を強くつままれても触れられているという感覚はあるけど、痛みは感じない、又は、火傷をしても熱さを感じない事です。
病気が進み空洞が大きくなってくると、しびれ、筋肉のやせ、手足の脱力、つっぱりなどの症状がみられてきます。

脊髄空洞症の治療法

脊髄空洞症の治療法としては、しびれなどの症状にあわせた薬剤による治療のほか、外科的治療(後頭蓋窩減圧術、空洞ーくも膜下腔短絡術など)が行われます。
まれにですが、ほっておくことで空洞が縮小される方もおられますが、それぞれの原因となった病気によって異なった手術を行います。
キアリ奇形の場合は大孔部減圧術(だいこうぶげんあつじゅつ)を行う、つまりFMD:頭蓋骨と脊柱管のつながっているところの孔を切開して,硬膜形成術(こうまくけいせいじゅつゴアテックスと言うシートであなを埋める)を行う事です。
出産時の外傷や脊髄損傷、脊髄手術などが原因の患者には、くも下腔シャント術、腹腔シャント術などを行います。
シャント術とは空洞に細い直径1ミリのシリコンチューブを通して、くも膜に流す短いチューブの手術や、空洞から腹腔までのばして流す長いチューブの手術がありますが、現在は胸腔に流す方法も試されているとの事です。

手術後のケアー

手術を受けたからといって、けして完治するという事ではないですが、状態によっては長い期間の圧迫で空洞が小さくなっても、症状がとれないという事もあります。
決心して手術を受けても、難治性の痛みをとることが難しいということがありますし、身体の状態がすっきり良くなるという事でもないために、いろいろな不安や不満などで体調を悪くする事もあると思いますので精神的なケアも必要になる病気ではないかと思います。
いたずらに難病であると言うだけで不安や恐れをい抱く事のないよう、しっかり主治医と今後の治療について病気の進行についてコミュニケーションを密にして、病気の進行を喰い止めることを目指して後悔のない選択をして頂く事が重要です。
前述の通り脊髄空洞症は国の特定疾患に認定される程の極めて難病に分類される病気です、がだからといって悲嘆に明け暮れる行為はかえって病気の進行を早めます。
この病気と向き合って、患者とともに歩いてくださる医師たちもおられます、強い精神力で立ち向かう事が最高の治療薬ではないでしょうか。

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